打ち放し
打放しコンクリート(うちはなしコンクリート、うちっぱなしコンクリート)は、建築物の仕上げの一種である。 基本的には現場打ちコンクリートの上に、塗装・タイル・石張りなどの仕上げ工程を省き、型枠を外した直後のむき出しのままの状態のコンクリートをもって仕上げとする手法で、「打放コンクリート」・「打ち放しコンクリート」とも書く。 「コンクリート打放し」と同義。単純に「打放し(「打放」・「打ち放し」)」とも言う。ただ、そのままでは雨水の浸透による劣化や黒カビ・藻などによる汚染が心配されるため、近年では「撥水剤」と呼ばれる耐水性を上げる液体を塗布する事が普通である。
打ち放しコンクリートは、上記の「仕上げ」という保護材を持たないため、風雨に対する抵抗力が弱く、また施工段階においても細心の管理上の注意が必要とされるため、発注者・施工者からは敬遠される傾向がある。 しかしながら、建築造形的にはコンクリート構造独特の力強さ・清潔感・素材感などの美学表現に優れ、特に作家性の強い設計者はこれを好む傾向にある。 またコンクリート打ち放しは、基本的に型枠を取り外した後の仕上げ工程を欠くため、型枠の形成の段階でその巧拙がおおよそ決まってしまう。 素木(しらき)の素材感を好んで来た木造建築の伝統と、型枠を作る大工仕事の技術的な高さによる仕上げの精度によって、日本では「お家芸」と呼ばれる程の独自の発達をみている。
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